日本の刑事司法
対内
警察の機構は、内閣府の一機関たる国家公安委員会・警察庁、そして各都道府県の公安委員会・警察本部による二層構造であり、後者の下部組織たる警察署、更に日本から発祥の交番の存在が地域の安全を担う。SAT等をも擁する文民警察である。
他に、沿岸警備隊たる海上保安庁が国土交通省の外局として、また、国境警備隊たる機能の一部を担う法務省入国管理局(入国警備官)や財務省の税関(税関職員)、或いは、特に薬物犯罪を専門に管轄する厚生労働省の各地方厚生局麻薬取締部(麻薬取締官)などが、それぞれ設置されている。
銃砲刀剣類所持等取締法により、銃・刀剣などの武器の所持を厳しく規制している。国際連合薬物犯罪事務所の統計によれば、国連加盟192国の内、犯罪・刑事司法の統計を報告している国の中で、殺人、誘拐、強姦、強盗などの暴力犯罪の発生率が著しく低い。その理由については、制度的な要素、社会的な要素、日本人の遵法意識の高さなど諸説あるが、その一つとして厳しい銃規制も挙げられる。但し、イギリスの銃規制に見られるように日本と同等ないし罰則だけなら日本よりも厳しいのにもかかわらず、殺人事件に占める銃の使用される比率が日本の倍を超える国すら存在するので、注意が必要である。
対外
戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認を規定する憲法第9条の存在により、安全保障の分野におけるデ・ジュリとデ・ファクトとの乖離が特に目立つ。事実上の軍事同盟たる日米同盟(日米安全保障条約)に基づき、在日米軍が駐留する。また、事実上の軍隊たる自衛隊は、陸上自衛隊・海上自衛隊・航空自衛隊から構成され、内閣総理大臣及び防衛大臣による文民統制の下、防衛省によって管理される。また、事実上の準軍事組織として沿岸警備隊たる海上保安庁が存在するが、海上保安庁に対処が困難な事態が発生した場合、主に海上自衛隊が担当する。
大日本帝国憲法の統帥権を根拠に日本軍が政治に深く関与したことへの反省から、自衛隊法第7条により、内閣総理大臣が自衛隊の最高指揮監督権を持つと規定され、文民統制に注意が払われている。また、同じく戦前への反省から自衛隊海外派遣は長らく行われてこなかったが、自衛隊ペルシャ湾派遣や自衛隊カンボジア派遣を契機に開始された。第二次世界大戦後、日本の部隊は、その所属にかかわらず、一切の直接の戦闘を経験していない。連合国軍の占領下にあった1950年(昭和25年)、朝鮮戦争で海上保安庁の機雷掃海部隊(特別掃海隊)が派遣されたことがあり、死傷者も出している。が、それでも軍隊や民兵を相手に直接、交戦した経験はなく、実際の戦闘においての能力は、未知数である。
(イギリスの経済紙・エコノミストの調査部門であるエコノミスト・インテリジェンス・ユニットが平和の指標として24項目を数値化する)「世界平和度指数」の2009年(平成21年)度版によると、戦争・内戦・テロ、それによる死傷者が無く、軍事費のGDP比が低く、犯罪率が低いことなどから、ニュージーランド、デンマーク、ノルウェー、アイスランド、オーストリア、スウェーデンに次いで7位に評価され、2010年には3位とされている。 ただ、この指標には海外(アメリカなど)から軍事的庇護の下にある日本などに対して、有利すぎるとの批判が出ており、エコノミストも自ら認めている。
要員・装備・予算
以下のような政策・傾向を継続している。
- 防衛費の絶対額では世界上位。しかし、国の経済力に対する防衛費の割合は、著しい低水準に抑えられている。
- 兵員・戦車・作戦機・軍艦の数などに見られる規模の小ささを、質の向上や同盟国の能力によって補完する。
- 近年は財政状況の悪化により、仮想敵国や周辺諸国との協調的な軍縮でなく、単独で一方的・自主的に軍縮する。
ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の統計によると、以下の通りである。
- 国内総生産(GDP)に対する軍事費の割合ランキングは、世界の150位前後である(これは、アメリカ中央情報局(CIA)の発行する CIA World Factbook の統計においても同様である)。
- 2008年(平成20年)度の防衛に関連する予算の総額は、為替レートベースで463億(アメリカ)ドルであり、1位のアメリカ合衆国、2位の中華人民共和国、3位のフランス、4位のイギリス、5位のロシア、6位のドイツに次ぎ、世界7位である。
- 1999年(平成11年)~2008年(平成20年)の10年間の軍事費の増減率は、中国が194%増、ロシアが173%増、韓国が51.5%増、日本が1.7%減であり、周辺諸国に対して相対的に低下している(これについては、同盟国であるアメリカからも懸念が示されている)。
このように GDP に対する割合の順位(世界の150位前後)に比べてドル換算した絶対額の順位(世界7位)の方が格段に高い理由として、以下が挙げられる。
- GDP そのものが大きく、国力が高い。
- 円が強い通貨である。
- 広大な領海・EEZと長大なシーレーンを抱える。
- 周囲を軍事大国に囲まれる。
- 規模が相対的に小さい故に、質の高い要員・装備を目指している。高コストな装備を調達する傾向にある。
- 発展途上国に比べ、人件費が高い。
- 装備の国産化を指向するにもかかわらず、武器輸出三原則で輸出を自粛しているため、購入単価が下がらない(あくまで自粛であり、見直しの議論もある)。
- 要員
- 高い基礎工業力を生かし、車両や艦船の多く、そして航空機の一部が独自開発である。また、他国の製品であってもライセンス生産を行うなど、可能な限り、国内で調達する傾向がある。これによって、他国の意志に左右されず兵器本体及び保守部品の生産ができ、製造ノウハウも蓄積する事ができる。そうすると輸入兵器より保守・管理の効率、ひいては稼働率を高く保つことができる。定評ある海外製の兵器や、それと同等ないしさらに高性能と見られる国産装備を多く保有すること、公開演習などを通じて知られる高い練度などが、高く評価される。
- 予算
- 2008年(平成20年)度の GDP に対する防衛費の割合は、SIPRI の統計による世界全体の GDP に対する軍事費の割合2.4%に対し、0.94%である。
- 2009年(平成21年)度の防衛に関連する予算の総額は、4兆7741億円(本体予算4兆7028億円+沖縄に関する特別行動委員会費112億円+米軍再編関係費602億円)、前年比で55億円(0.1%)減で、2002年(平成14年)度をピークに2003年(平成15年)度から2009年(平成21年)度まで7年連続で微減傾向である。
情勢・脅威
冷戦の時代、ソビエト連邦が最大の仮想敵国であり、自衛隊の部隊も北海道など北方に重点が置いて配置されていた。しかし、ソ連崩壊による冷戦が終結後は、軍拡を続ける中国や水際外交や国家犯罪を繰り返す北朝鮮が最大の脅威となり、これらへの対抗から部隊の西方への移転が進められている。しかし、根拠地の移転には広大な敷地や大規模な工事が必要なこともあり、あまり進んでいない。
- アメリカ以外との安全保障協力
- 2007年(平成19年)3月にオーストラリアとの間で安全保障協力に関する日豪共同宣言が、続けて2008年(平成20年)10月にインドとの間で日本国とインドとの間の安全保障協力に関する共同宣言が、それぞれ調印された。
- 核抑止
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