![]()
日本語の方言区分の一例(琉球語も含む)
日本には公用語を明示する法令が存在しないが、日本語がほぼ全ての国民の母語であり、慣習に基づく事実上の公用語である。全土で均質化された日本語による義務教育が行われ、識字率は極めて高い。日本に定住する外国人も多くは日本語を理解する。国会では、アイヌ語などの使用も認められているが、憲法や法律は、日本語で記したものが正文である。
近代以前の日本語は、中古日本語に基づく文語を使用していたが、口語との乖離が大きかった。また口語は京都方言が中央語と意識されていたが、地域や階層による方言差が大きかった。明治維新による近代的な国民国家の創設に伴って言文一致運動が起こり、口語に近い文語と国民的な共通の口語の形成が朝野の双方から推し進められた。東京方言を基盤に整えられた新しい文語や口語(標準語・共通語)は、教育・報道・行政・軍隊などを通じて国民に広く浸透し、国民的一体感の形成に寄与した。共通語の浸透に伴い各地の方言は衰退・変容を余儀なくされたが、近年、地域文化・アイデンティティーとして見直す機運が高まり、教育現場においても共存が図られるようになった。
日本は漢字文化圏に属し、日本語の表記には漢字とそれから派生した仮名を主に使用する。第二次世界大戦後、GHQの指導などもあって、政府は漢字の全廃を決定し、全廃まで当面使用できる漢字をまとめた「当用漢字表」を告示して漢字の使用を制限した。しかしその後、当用漢字よりも緩やかな「目安」として「常用漢字表」が制定され、漢字全廃の方針は撤回された。そうしたなかで、一部の漢字は正字体(旧字体)から新字体に簡略化された。固有名詞は別扱いであることから、人名・地名などでは旧字体や異体字の使用が続いており、異体字の扱いは現在もしばしば問題となる。仮名の正書法に関しても、終戦後、従来の歴史的仮名遣から現代仮名遣いに変更された。
日本語以外には、アイヌが用いるアイヌ語や、樺太から移住した少数住民が用いたニヴフ語・ウィルタ語、小笠原諸島の欧米系島民と日本人島民のピジン言語である小笠原語がある。現在ではニヴフ語・ウィルタ語の母語話者によるコミュニティは消滅し、アイヌ語も母語話者が10人以下に限られる危機に瀕する言語であるが、アイヌ語再興の取り組みも活発である。琉球諸島の伝統的な言語は本土方言と違いが大きく、日本語内部の一方言(琉球方言)か、日本語とは系統の同じ別言語(琉球語)か、その位置づけには議論がある。琉球語内部でも地域差が大きく、複数の言語の集合として「琉球語派」や「琉球諸語」と位置づける場合がある。
![]()
その他の言語は、日本語に単語として取り入れられた外来語を除き、日本人同士の意思疎通にはほとんど用いられず、高等教育の教授言語としても常用されない。日本人にとって最も身近な外国語は国際語である英語であり、実務上での便益や諸外国人への配慮から、国際取引や学術研究の場で使用が奨励されることがある。義務教育の中学校の必修科目である外国語科では英語を扱うことが圧倒的に多く、それ以降の高等教育機関でも多くの日本人が英語を学ぶ。しかし日本語から遠い系統の言語であるため習得が難しく、また多くの日本人にとって日常生活での必要性が低いことなどから、堪能な者は少ない。大学で学ぶ第二外国語としては、主にドイツ語、次いでフランス語が選択されてきたが、近年は、中国の経済発展に伴って中国語の選択が増えている。ロシア語の学習者は多くないが、冷戦崩壊後の現在、極東ロシアとの貿易が活発化しているため、北海道や日本海側の都市で外国語表記に取り入れられるなどしている。朝鮮語(韓国語)は日本人にとって比較的習得が容易な言語であり、国家間関係も密接であるが、日本人の学習率は高くない。安全保障上の理由から学ばれている言語は、同盟軍との意思疎通を図るための英語と、仮想敵のロシア語・中国語・朝鮮語が主である(予備自衛官補の語学技能枠で一般公募もされている)。
外国籍の住民および帰化外国人、日本に定住する外国人が用いる主な言語には、在日韓国・朝鮮人を中心に約100万人が用いる朝鮮語(在日朝鮮語)、在日中国人・在日台湾人を中心に約60万人が用いる中国語・台湾語、日系ブラジル人を中心に約30万人が用いるポルトガル語、フィリピン人・欧米人を中心に約25万人が用いる英語などがある。
Digg
|
Reddit
|
Mixx
|
del.icio.us
|
Stumble it! |